「春ゆきてレトロチカ」をプレイしてみた(微ネタバレあり)

「春ゆきてレトロチカ」をプレイしてみた(微ネタバレあり)

ゴールデンウィーク中、何か面白い推理ゲームが無いかと探していたところ、ミステリアドベンチャーゲーム「春ゆきてレトロチカ」がSwitchで50%OFFになっていたため購入しました。

先日、同じくミステリーADVゲームの「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」というゲームをプレイしましたが、「春ゆきてレトロチカ」はより推理要素が強いADVゲームといった印象ですね。最後までクリアしましたので、今回もなるべくネタバレしない範囲で感想を語っていきます。

「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」の感想記事 → 「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」をプレイしてみた(微ネタバレあり)

公式サイト → 春ゆきてレトロチカ | SQUARE ENIX

『春ゆきてレトロチカ 』 紹介映像

■あらすじ(公式より)

令和4(2022)年、春。

ミステリ小説家の河々見(かがみ)はるかは、科学者の四十間(しじま)永司の依頼を受け、編集者の山瀬明里とともに、富士山麓にある永司の実家、四十間邸を訪れる。

永司の依頼は、桜の下で見つかった白骨死体の正体究明と、四十間邸に眠ると言われる“不老の果実”の捜索。

大真面目に語る永司と、半信半疑のはるか。そんなはるかに明里が一冊の古書を差し出す。

そこに掲載されていたのは永司の先祖、四十間佳乃が書いた“不老の果実”をめぐる、百年前のある物語。それは小説の体裁をとった、実際に起こった殺人事件だという。

古書を読み終え、事件の謎を解き明かしたのも束の間。はるかの目の前で四十間家を揺るがす殺人事件が起きた…

■感想

①実写

まずなんと言っても、このゲームの特徴は実写ゲームであるという点ですね。ストーリーの進行はすべてムービーで行われていくので、ゲームを遊んでいるというよりも火サス(劇場版)を見ているような感じで楽しみました(笑)

そもそも実写ゲームというジャンル自体が稀有な存在で、パッと思いつくところだと「街 〜運命の交差点」とか「428 封鎖された渋谷で」あたりですが、それらは基本的に立ち絵とテキストで進行しつつ、要所でムービーを挟む感じなので、すべてムービーで進行するゲームは初めて遊びました。昔はゲームの容量制限が厳しかったので実現が難しかったというのも多分にあると思いますが、制作陣の強いこだわりを感じますね。ちなみに、ニンテンドーeショップでダウンロード購入しましたが、容量は15GBくらいでした。

人によっては、テキスト進行の方がテンポが速いので好みという人もいるかもしれませんが、僕の中では非常に高評価でした。

②推理要素

僕は幼少の頃から推理小説はそれなりに好きで、シャーロックホームズは小学生の時に読破するくらい結構読んでいましたが、本気で推理したりはしないライトファンでした。推理小説の掟として、探偵が謎は解けたと宣言した時点で推理に必要な手がかりはすべて提示されていると聞いたことがありますが、そんなのは気にせずに事件解決までノンストップで読み進めてしまい、「あ~そういうことだったのねぇ」と満足していました(笑)

アドベンチャーゲームに推理要素を持たせ、プレイヤーに推理を促したい場合、プレイヤーの回答方法としては選択肢を用意するか、フリーの文字入力で答えを入力させるかの概ね2パターンになると思いますが、どちらも難点があります。選択肢式の場合、総当たりすればいずれは正解にたどり着けるので、まともに推理しなくてもクリアできてしまいます。一方フリー入力の場合、問題が難しすぎるとプレイヤーが挫折してしまうので、難易度は抑え目にせざるを得なくなります。

その点、このゲームは事件の謎を解く手がかりが揃った後、いきなり解決編に向かう(答えが求められる)のではなく、手がかりを組み合わせて仮説を作成するという変わったシステムになっています(詳しくは冒頭の紹介動画を参照)。仮説の作成自体は時間制限やペナルティ無しで進められますが、真実とは異なった仮説も多く含まれるため、作成の過程でどれが真実なのかをプレイヤーに考えさせる仕組みに上手くなっているのではないかと思います。

その後の解決編では、作成した仮説の中から選択肢で正解を選ぶシステムになっていて、かなり独特ですが、プレイヤーが推理することを主眼としたゲームとして上手く成立していると感じました。

③ストーリー

物語は100年にわたる四十間家の事件の真相に迫るストーリーになっていて、章が進むたびに100年前、50年前、現在に時系列が変わりながら話が進んでいきますが、キャストはほとんど使いまわしなんですよね。ギャラの問題とかで多くのキャストを呼べなかったのか?と勘ぐってしまうところですが(笑)、その辺りの理屈付けだったり、それを逆手に取ったギミックだったりと実写要素を活かした展開になっていました。

最後の真相編では隠されていた真実が一気に明らかになっていて、風呂敷たたみ過ぎでは?という気もするくらいでしたが(笑)、気になって一気にクリアしました。おそらく細かい点では色々突っ込みどころもあるかと思いますが、よく出来たストーリーだと感じました。

実写の推理ADVゲームはマイナーなジャンルで、世に出ている数も少ないですが、個人的には非常に楽しめたので、今後も色々なゲームが出てくると良いですね。

投稿者:

ヌマノ

広島生まれ、千葉育ち、神奈川在住を経て埼玉に移住した30代会社員。休日はゲームに勤しんだり、街を歩いたり、美味しい食事を求めたりする日々を過ごしています。

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