都市伝説解体センター(Switch版)をプレイしてみた(微ネタバレあり)
先日、Switch版のADVゲーム「都市伝説解体センター」をクリアしました。育休前に購入し序盤までプレイしていたのですが、育休に入ってからは時間がなかなか取れず・・・。ようやく最近余裕が出てきたので、一気に全クリまで進めてしまいました。面白かった!核心に触れない範囲で感想を語っていきたいと思います。
■ストーリー全体について
全体的なイメージですが、ミステリADVとして推理要素もありつつ、ケレン味のある演出や一部のオカルト要素も許容した世界観になっていて、ストーリー重視で幅広い人が楽しめるゲームになっていると思います。難易度も低めというか、ゲームを進めやすくするように色々配慮されているので、推理ゲームを普段遊ばない人にも是非オススメです。
現実感とオカルト成分のバランスでいうと、逆転裁判に近い感じでしょうか。主人公の福来あざみが持つ念視の能力を駆使して捜査していくところは、逆転裁判のサイコロックを思い出させます。事件のトリックというか犯行が現実的に可能なのかとか、細かいところは気にせずに楽しんだ方が良いのも似ていますね(笑)
また、X(旧Twitter)のようなSNSを通じて情報収集を行う捜査パートがあるのも、本作の大きな特徴ですね。SNSの無法地帯感というか、匿名性がもたらす無責任な発言とか、噂に尾ひれがついて広がっていくところなど、再現度が非常に高いです(笑)
SNSがもたらす負の面についてはストーリーの本筋にも大きく関わってくるので、制作者からの強いメッセージを感じるところです。(Switchのゲームニュースから、本作の制作者へのインタビュー記事が見られるので、気になる方は是非!)
■都市伝説について
本作は、ゲーム内で発生する事件が実在する都市伝説をモチーフにしているところも大きな特徴ですね。都市伝説というとUMAとかUFOとか一昔前のものをイメージしていましたが、意外とインターネットの世の中になってから生まれた都市伝説もあるみたいです。少し話は変わってしまいますが、先日BSのNHKの番組で、有名な「くねくね」や「きさらぎ駅」はインターネットが普及してから生まれた都市伝説(番組内では「怪談」と呼んでいましたが)らしいです。科学が発達した現代においても、都市伝説のような不思議なものは人を惹きつける魅力がありますね。
僕が好きな京極夏彦先生の百鬼夜行シリーズも、近代化が進み信仰心が薄れてきた昭和中期を舞台に、怪異としか思えないような事件が発生し、憑き物落としが解決に向けて動きますが、それの現代版と捉えることもできるかもしれません。
■その他
メタ的な話になりますが、本作はインディーズということもあり、ボイス無しのゲームです。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないけれど、ボイス無しがゆえにストーリーが成立している部分があり、ある意味インディーズゲームであることを逆手にとっているなー、と勝手に感心していました。(意図したところかどうかはわかりませんが・・・)
例えば小説の叙述トリックも、映像が無いがゆえに成立しており、それが映像作品には無い面白さを生んでいるので、ゲームにしても必ずしもボイス有りの方が良いというわけではないのかな、と思いました。キャストの情報から変に察してしまうこともあるからね。
あともうひとつ言いたいこととして、本作は集英社ゲームズから販売されています。正確には、開発は墓場文庫というチームが行っていて、パブリッシャーが集英社ゲームズなのかな?
実は、以前に集英社ゲームズから出ているRPGをプレイしたことがあるのですが、それが非常に微妙な出来だったので、集英社ゲームズはもう信用しない!と半ばトラウマになっていたのです。
一方で、前述したSwitchのゲームニュースに載っているインタビュー記事は墓場文庫の担当者さん宛のものなのですが、その中で、パブリッシャーである集英社ゲームズのチェックを受けて、より良い作品にブラッシュアップされたとのことでした。本作に関してはそこは異論はないのですが、前にプレイしたRPGはちゃんと集英社ゲームズが中身をチェックした上で発売されたのか、大いに疑問が残るところです・・・。
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